ベストアルバムをつくろう(8)

「ビートルズ・フォー・セール」編

 読んで字のごとく「売らんがための」作品集に思えました。実際のところそうだったようですが、それにしてもストレートすぎませんか。フォーセールなんてね。

 ま、そんな思い込みやオリジナル曲が少ないといった不満もありましてアナログ盤のときは購入してはいません。CD化されて初めて全曲をきくようになったわけですが気になる曲がありました。1曲目の「ノー・リプライ」です。

 今でこそヒットチャートの1位を10週間独走する曲は珍しくなくなりましたが、ビルボード誌のチャート集計方式が90年代に改変される以前にはほとんどなかった様に思います。最近ではマライア・キャリーが「ウイ・ビロング・トギャザー」で達成していますが、70年代にデビー・ブーンの「ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ」と80年代にオリビア・ニュートンジョンの「フィジカル」の2曲だけがこの記録に届いただけでした。

 81年のことだったと思います。キム・カーンズが「ベティ・デイビスの瞳」で10週1位に肉薄しましたが残念ながらちょうど真ん中に別の曲が割って入りトータル9週1位に終わりました。それでも年間第1位、堂々たる大ヒット曲ですが10週連続1位ならば歴史に残る記録だっただけにキム・カーンズの心中はいかがなものだったでしょうか?

 で、この連続1位記録を途中で止めたのがスターズ・オン45の「ショッキング・ビートルズ45」だったりするからおかしいよね。メドレー曲のブームをつくりだした曲ですがあくまで企画物ですよ。偉大な記録を頓挫させたのがこのおちゃらけた曲だってことがなんとも不思議。このメドレー曲の冒頭がかの「ノー・リプライ」なので印象深いわけです。

 さて、アルバム自体なんですけど最初のイメージほどは悪くありませんでした。例によってカヴァー曲は秀逸で武道館公演でもおなじみの「ミスター・ムーンライト」や「ロック・アンド・ロール・ミュージック」も聴けますし、「カンサス・シティ~ヘイ・ヘイ・ヘイ」なんかもパワフルです。

 オリジナルはというとアルバムジャケットからも推測できますが少々お疲れ気味のようでしょうか、前作にみられたような上昇気流に乗った感じの勢いはあまりありません。ほんの僅かに翳りを帯びた小さな作品が気になります。冒頭の曲のほかに「アイル・フォロー・ザ・サン」を選択。派手さはありませんがなんともいえない温かみのある曲ですねえ。ビートルズ・フォー・セール
ビートルズ・フォー・セール

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