「カリフォルニアの青い空」アルバート・ハモンド

 状況にあわせて音楽を選択することは誰でも自然に行っている事と思います。例えばドライヴに出かけるときなどを考えてもらえば分かりやすいでしょう。「疾走する」イメージで選曲するのではないでしょうか。

 その際にも行く先が海である場合と高原である場合とでは選択も変わってくるでしょうし、一般道を使って行くのと高速道路を使って行く、あるいは出かけるシーズンが夏か冬かでもイメージも異なってしまうのではないでしょうか?

 まあ、そんな感じで状況に合わせて好みの音楽を聴くのはよくあることなのですが、私にはこの曲を聴くときはこの状況にあることが多いといった逆のパターンがあります。

 それは書店で立ち読みをしているとアルバート・ハモンドの「カリフォルニアの青い空」がBGMで流れるというものです。偶然かもしれませんが春先から初夏にかけて経験する事が多いのでこの曲は日本において晴れが多い時期の定番になっているのかもしれません。

 この曲はよく聞くことが多いので日本においては非常に知名度が高いのではないかと思っていたのですが周囲に聞いてみたところどうもそうではないようです。洋楽好きの40歳以上の人はご存知のようなのですが・・・

 その理由はヒットしてから時間が経過しすぎていることでしょうが基本的に本人の歌声を伴って聞くことが少ないからだと思います。曲自体のメロディを聴けば大体の人が「聞いたことがある」のですが街頭とか店内でBGM化された歌詞のないヴァージョンを聞くのがほとんどなので歌詞も歌手も知らない、とうぜん曲名も分からない状況なのですね。

 アルバート・ハモンドは英国生まれスペインはジブネルタル育ちのシンガーソングライターでアメリカではレオ・セイヤーのヒット曲「はるかなる想い」(キャロル・ベイヤー・セイヤーとの共作、77年全米1位)を手がけるなどライターとしての実績の方が評価されています。

 ハモンドの作風は日本人の琴線に触れるようで「青い空」のほかにも「落葉のコンチェルト」という叙情的なヒット曲を出しています。こちらは切々と歌うバラードで秋口にBGMとしてよく耳にしますが例によって歌なし編曲ありで原曲を知る機会は少ないようです。先日もTVでかかっていましたが「原曲を何度も聴いたことがあり尚且つこの時期に使用されると予測」できれば気づくレベルの使われ方でした。

 使用方法の是非はありますが流行歌として直ぐに忘れ去られてしまう楽曲が多い昨今ですから70年代前半の曲が未だに重宝されているといった事実だけでもこの2曲が日本ではスタンダード化しているといってもよいのではないでしょうか?

 「カルフォルニアの青い空を」聴くたびに私は行ったこともないカリフォルニアの青い空を想うのですがこの曲の原題は「it never rains in southern california」でそのまま訳すと「南カリフォルニアにはあんまり雨は降らない」という身も蓋もないタイトルなんだよね。日本のレコード販売宣伝部の人は楽曲をイメージして素晴らしいタイトルを付けてくれました。

 日本の気候はからりとしたカリフォルニアとは違って幾分空気が湿っているけれどこの曲を聴くと梅雨の空が晴れ上がってもうじき夏が来るのを予感させるような、ちょっと嬉しげな楽しげな気分にさせてくれます。オリジナル・アルバムを推薦したいところですが見当たらないのでコンピレイション盤を一枚。

ベスト・オブ・70′sロック&ポップス
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