「雨にぬれても」B・J・トーマス

 フジテレビの「トリビアの泉」を見ていましたら「デパートでは従業員に天候が雨になったのを知らせる為のBGMがある」というのをやっていました。

 成る程。通常、従業員は店内での仕事ですから天候の変化には気づきにくいわけですが雨天ともなればお客様用の防水あるいは撥水袋を用意したり、傘たてや傘入れビニール袋を設置したりとサービスを先んずる必要があります。

 店内放送すればよいだけの話ですがデパート関係者以外に気づかれない方法で周知するのも優れたサービスのひとつです。「雨が降り始めました」と直接アナウンスするよりも特定のBGMで店員のみに周知した方が来店中のお客様にとってサプライズになりえます。

 番組内では取材した雨天周知のBGMをデパートごとに紹介していました。ほとんどのデパートが雨にちなんだ楽曲を使っていました。安易ですがそりゃそうですよね。これほど分かりやすいメッセージはありませんから。

 普通の人にとっては雨天はイメージ的に言ってマイナスです。一番の憂鬱は出かけるのに傘を持って歩かねばならないからでしょう。私はそうです(笑)。ですから周知にもなるべく明るくて軽妙な曲を選択したいところでしょう。

 そんななか「多分、多くの店で使用されているんじゃないかなー」と漠然と考えていた曲がB・J・トーマスの「雨にぬれても」です。案の定いくつかのデパートで使われていました。人間考えることはあまり変わらないという事でしょうか。

 曲は軽快ですがレコーディングには大変苦労したようです。この曲のレコーディングの前日にB・Jは喉頭炎がひどく医者から2週間は声を出してはいけない旨言われ困りました。

 通常なら録音を延期しレコードの発売日を伸ばせばいいだけの話ですがこの曲はポール・ニューマン主演の新作映画「明日へ向かって撃て」に使われることが決まっていたのです。映画の公開日を撮影の遅れならともかく曲の都合で遅らせる事はできなかったのです。

 結局、医者を説き伏せて喉を治療し翌日の録音に挑み5回目の録音でようやく作曲家であるバート・バカラックを納得させる事ができたようです。もう一度やり直せといわれても喉がいうことをきかなかっただろうとB・Jは後年語っています。

 曲の出来栄えはボール・ニューマンそっくりのしわがれ声(状況を考えればそりやそーだ)にの仕上がりでこれには映画の配給元の20世紀フォックスの重役も満足したそうです。この数週間後ニュー・ヨークでB・Jは自分のシングル用にもとの澄んだ声で再録音しバカラックが「ダ・ダ・ダ・・」とコーラスを加えたのが曲として知られているヴァージョンです。

 B・Jの苦労に思いをはせつつ両方を聴き比べてみるのも雨の日には趣があるのかもしれませんね。


バート・バカラック・プレゼンツ・スウィート・メロディーズ
バート・バカラック・プレゼンツ・スウィート・メロディーズ

この記事へのコメント

ぬえ
2006年10月24日 02:08
はじめまして。TBさせていただきました。
私もトリビア見てましたよ。雨といえばやはりこの曲でしょうね。一番有名な曲ですから。
レコーディングの話も興味深く読ませてもらいました。なるほどよく聴いてみると映画の曲は確かに声が違いますね。全然気づきませんでした。新しい発見ですね。
2006年10月26日 00:55
こんばんは。TB有り難うございます。
この曲は雨の日にはつい歌ってしまいますね。
「まーあっち(街)に雨がふる」
・・なぜか日本語・・しかもこの部分だけ・・
不思議だ!?

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