「テレフォン・ライン」ELO

 最近、テレビのドラマかなにかで楽曲が使用されたらしく知名度がちょっとだけ上がったエレクトリック・ライト・オーケストラ(以下ELOで略)ですがその活動は古く1970年代にまで遡ります。

 多分TVで今で言うところのPVを見ただけだと思いますが結構驚いた記憶があります。現在でこそロックコンサートはエンターメント化していて演奏者がメイクしていたり火を噴いたり(これはキッスだけか?)花火が上がったりと親子でも楽しめるがごとくとなっておりますがこの頃のコンサートは演奏して歌うだけが主流でした。

 当時のPV自体は特も凝った映像作品といった趣はありませんでした。PV自体を作品として考えられるようになったのは多分マイケル・ジャクソン以降のことですからそれ以前はコンサート会場で演奏したものかスタジオでプロモーション用演奏したものを使うかのどちらかだったのです。

 たとえば79年にナックの「マイ・シャローナ」という大ヒット曲があります。この曲のPVは本当にメンバー演奏しているだけでしかも舞台装置らしきものも何もなく真っ白な背景で「マ・マ・マ・マイ・シャローナ」と歌うだけの代物でした。シンプルだけの映像ですね。

 ところが当時購読していた雑誌ミュージックライフの記事を読んだところELOのコンサートでは演奏だけでなくイルミネーションのような演出があるようなことが書いてありました。同号のカラーページにコンサート会場の写真が載っておりそれを見てみると確かに青い光線のような物がコンサート会場を照らしていたのでした。

 これがレーザー光線であることはその後知りました。現在では放射線状にレーザーを張り巡らせる程度の演出は特に珍しくもありませんが時代が時代なだけに青白い光が映し出す光景は十二分に幻想的でした。一度は体験してみたい気にもなったものです。

 コンサート会場が幻想的な雰囲気に包まれると演奏が始まります。「トルルー」と電話のSEが入るとヴォーカルのジェフ・リンが「ハロー、ハウ・アー・ユー」電話での常套句で歌いだすのが「テレフォン・ライン」でした。

 それまでは耳で聴いてレコードを購入するしかありませんでしたがPV(後にはMTV)を目で見て選択できる時代がやってきたのでした(後で思えばですよ)。しかし、現実には洋楽のシングルレコードなど流通の少ない時代・・今はもっとひどいが・・なのでLPを購入する羽目になりました。

 で、買ったのが「オーロラの救世主」です。それにしても日本のレコード会社の販売宣伝担当の人って凄いと思います。この邦題、どうやって付けたのでしょうか?原題は「A NEW WORLD RECORD」ですからねえ。収録曲にこのタイトル曲はあるけどねえ・・アルバムジャケットに刻印されたELOのロゴマークのイメージからでしょうか?

 ちなみにこのELOのロゴマークは次回作の2枚組みアルバム「アウト・オブ・ザ・ブルー」では宇宙ステーション、次々回作「ディスカバリー」ではアラブ人(?)の遊ぶサイモンゲーム(知ってる?)として大々的に登場します。そして今思うとこの2枚を発表した頃がヒット作を出し続けたELOのクリエイティヴピークだったと思われます。

 どうも米国での先の2枚での大成功がジェフ・リンを守りに入らせたようです。ELOは良くも悪くもリーダーであるジェフ・リンのワンマンバンドで、彼には演奏以外にもグループにほとんどの楽曲を提供していましたから必然的にお金は彼を中心に集まる事になっていたのです。更に配偶者がお金持ちであった為、ガツガツと仕事をしなくても良い状況ができたため創作意欲が湧かなくなったみたいです。

 このため次のアルバム制作になかなか着手せず他のメンバーが困ってしまいました。なにしろ印税は作詞・作曲・アレンジのほとんどをこなすリーダーに集中して入ることになっていますから新作を発表してツアーに出てくれないことには生活に窮してしまいます。

 それでリーダーをせっついて新作アルバム「タイム」は発売されましたがこの事件の影響かジェフ・リンはメンバーの干渉を嫌ってか次回作「バランス・オブ・パワー」からはストリングスを廃してしまいました。(ついでにELO自体も終わらせてしまったようです。独裁者を怒らせると怖いにゃー。でも、あくまで噂ですよ。う・わ・さ・)

 業界紙ではこの最新作について「ジェフ・リンの意欲が眩しい新作」などと持ち上げているのを目にしましたがていのいいリストラじゃないんでしょうか?まったく、独裁的なリーダーだと下の者は大変ですね。とここまで書いてよく考えたらわが身にも覚えが・・・危ねー。剣呑、剣呑ですぞー!くわばら、くわばら(身の安全のため分からないように書いてます。)


オーロラの救世主(紙ジャケット仕様)
オーロラの救世主(紙ジャケット仕様)【2012年1月23日・再プレス盤】

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック