ア・デイ・イン・ザ・ライフ

日曜日、朝刊を広げると一番下の段に死亡広告が出ていた。お通夜は今日の午後6時から葬式は同じ会場で月曜日の午前11時からとなっていた。今日は休日だから良しとして明日はどうするべきか?仕事を休むべきだが休暇の関係で職場に人数が足りない。休暇予定者に変更をお願いするのがベストだが日曜日とあって連絡が取れずお手上げだ。さて。どうすべきか・・

電話のベルが鳴る。時計を見ると午前6時50分、ナンバーディスプレイには見慣れない数字が並んでいたのでとりあえず無視して惰眠をむさぼろうかという考えが頭をかすめる。が、身体は反射的に受話器をとり、指先が通話ボタンをおしていた。「伯父さんが危篤だ。すぐに実家へ向かえ」父親の声が聞こえた。

慌てて身支度を整え自家用車に飛び乗り、ここ数日の状況を頭で整理しながら自宅をでた。2日前に配偶者が見舞いに行った段階ではまずまずの状態だったはずで今日仕事に行った帰り、そう、土曜日の午後にでも見舞いに行く事になっていたはずだ。

間に合ったたことは間に合った。実家は子供、孫、ひ孫が集まり渾然とした状況。大人は心配そうにベッドを見つめ時折声をかけたり身体をさすったりしているが、何も分からない子供たちは歓声を上げながら部屋から部屋へとはしりまわる奇妙な状況がそこにはあった。いま来たばかりの子供の第一声は「いやー、盛り上がっていますね」と無邪気なもの。苦笑するしかあるまい。

午前8時40分ご臨終。もはや取り立ててすることは無く今後の予定が決定したら知らせてくれるよう依頼しアパートへ戻ったら午前10時になっていた。当初の予定どうり仕事をしに職場へ向かうべきなのだろうが少々疲れたので仮眠を取ったほうが良かろう。午後1時半目覚める。2時の電車に乗るか、時間は充分ある。その前に今日は暑くなりそうだから昨夜のカレーに火を通しておくべきだろう。急いで加熱しておく。

意外に時間がかかった為、電車の発射時刻ギリギリには駅へ到着、普通列車に飛び乗った。一駅目を過ぎたところで「ガスの元栓を閉じていない」事に気が付いた。確か火は消したはずなので大勢に影響は無いはずと冷静に考えたがやたら気にかかる。

結局5つ目の駅で降りて引き返したのだが2時間のロス。自宅付近まで来て消防車が出動していないのを確認して一応一安心。もっとも火がついていれば引き返したとしても間に合うはずも無いのだが。

午後の3時半自宅にて電車の時刻表を眺めるとあと30分ほど次のが来ない。ちょっと午後5時には到着できそうも無いので自動車で向かうことにした。このガソリン高騰の折、決断であろう。その甲斐あってか2分前に到着できた。色々あって疲労困憊状態だが帰りも運転しなくてはならない。

午後7時半、何とか自宅へ帰り着くことに成功、配偶者が法事で不在の為、夕食の支度を自力でしなくてはいけないのだがもはやその余力は無く朝食用に準備してあった菓子パンで済ませることにした。あとは寝るだけなのだがそれにしても疲れた。

お通夜は何とかクリアしたが告別式は平日の為、一時間かけて一旦職場へと向かうが式は11時からとかなり厳しいスケジュールだ。時間休を提出し30分勤務後、駅へとダッシュ。何とか9時半の電車に乗り込み10分前には会場へとたどり着いた。ホントにギリギリだ。

午後1時、火葬場へ異動。納骨まで2時間かかったが職場へ戻らねばならないのでお寺へはむかわず直近の駅へ急いだ。やはりそこから1時間かかって業務へ復帰、時計は午後の4時をまわっていた。こうまでして職場に戻る必要があるのだろうか?私には疑問だ。

アパートへ戻ったのは午後の9時過ぎ。頭が朦朧としている。配偶者が戻るのは明日なので今日はまだ家に一人なのだ。特に何か食べたいわけではないが一応は帰宅途中にあるコンビニにて食い物は調達してきた。サンドイッチを頬張りながら考えた。

ところで今日は何曜日だっけ?いや、何月何日なのか?色々な事が立て続けに起きたせいか記憶が錯綜している。上手く時系列順に事柄を並べる事が出来ていない。どうにも記憶が明瞭ではない。そもそも、伯父さんは亡くなったのは真実なのだろうか?今現実に夕食をとっている自分は実は夢かなんかで目を覚ますとまだ土曜日の午前5時くらいだったりしないのだろうか・・わからない。そういえば以前にこんな状況に遭遇した様な気がする・・いや、曲で聴いただけだったか?確かビートルズの・・・・・
 

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